大野会奇譚

一生懸命「バカなこと」をやる。

それが「青春時代」だと思う。

 

わが愛しの「大野会」は

「昭和の時代(1980年代)」に 

そんな「バカなこと」をいっしょに

一生懸命やってくれた

仲間たちとの出会いの場だった。

 

上手い、下手は二の次よ。

昭和生まれの仲間たちとともに駆け抜けた

若かりし日の「一生懸命」と、

音楽だけじゃない「大野会」の魅力を

少しでも 皆さんに

お裾分け出来たらいいのだけれど・・・

  

( ※尚、当時の音源を使用しているので、お聞き苦しい点が多々あるかもしれませんが、ご了承くださいます様 お願い申し上げます。又、メンバー表記に関して、女性は当時の「旧姓」表示をしております。 )

** ものがたりのはじまり **

「大野会」とは、早稲田大学にあった音楽サークル、『ミュージックアベニュー大野会(旧名称:早稲田大学フォークソング同好会大野会)』のことである。部類の音楽好きたちが音楽ジャンルを問わず、そこで音楽をやって楽しむ集まりだった。残念ながら今はもうないそうだ。

 

 そもそも、なぜ「大野」会なのか? 私が入会する時に聞いた話によると、以前、「大野  何某」さんというとても魅力的な女性がいたんだそうだ。その大野さんに極上の音楽を捧げるために、何人かが集まり音楽を始めた・・・(最初は「クラシック」ジャンルだったとか…  )それが大野会の「原型」と言われている。私はこの話をずっと信じてきた。だから「どうして大野会?」と聞かれると、かならずこの話を持ち出す。だって、ロマンチックじゃないですか。誰かの為に音楽を一生懸命やる・・・ とても素敵なことだと感じ、大学内に星の数ほどあるサークルの中で、私はこのサークルに入り4年間を過ごした。それは私にとって「極上の4年間」の始まりだった。

*** Hey !  Hey !  Jenny !  ***

 「Front  Hockブラ」という画期的な女性下着がコマーシャルに登場して来た頃、大野会にもその名を語る集団が登場した。野郎だけのハードボイルド的なグループであったが、実はみんなとてもShy。心優しき男たちであった。

 

===  Violet  Lips  ===

Words & Music:Kouji-Kage

Vocal:Kouji-Kage

Chorus:Kazuhiro-Nakagome

Guitar:Yuuichi-Nagatomi

Keyboards:Kunji-OOsawa

Bass:Yousuke-Tajika

Drums:Kensuke-Mizumura

***   夕ごはん  まぁだ? ***

 大野会では、ふだん活動しているグループ以外に、文化祭や夏合宿の時に単発のユニットを作ることがある。その場で即興で音楽するようなものだ。ヒマナ隊も夏合宿中に不意に出来、誰にも知られることなく解散したユニットである。

 

Voca&Guitar l: keiichi-Ebina

Chorus: Shinji-Tanaka /  Kazuhiro-Nakagome

( 1981年 夏合宿にて )

== さぁて やらかしちまおうか ==

サークルの名前に「フォークソング」と入っている頃、まだまだエレキギターを使うグループが少なく、ほとんどがアコギをかき鳴らして歌っていた。

私が入った年(1980年)は大きいコンサートは数えるほどしかなくて、その一つが早稲田祭期間中の学部の語学教室を使ったコンサート。

ライブ喫茶の形式をとっていて、自分らの出番の時以外は、お客さんの呼び込みとウェイター・ウェイトレス役が一日の主な仕事だった。

会場となった第一文学部のキャンパスは本部キャンパスからちょっと離れていて、平日だとお客さんの入りが悪く、お客の呼び込み担当はたいへんだった。。。

( 1980年 秋 )

***  はぃかぁ~ ~い ***

その年のサークル内流行語大賞に輝いた「はぃかーい(徘徊)」。

冷静に聞けば、何と馬鹿馬鹿しい曲か。

でも、笑っちゃいけない味がある。

『かしまし』にしか表現できない世界がある。

だから… 彼らは結局、偉大なのである。

 

Vocal:Tsutomu-Sasaki

Guitar:Yuuichi-Nagatomi

Bass:Tetsuhide-Morooka

Drums:Kensuke-Mizumura

A.Sax:Koji-Hiraki

KeyBoards: Akiko-Nakada

( 1983年 渋谷エピキュラスにて )

** うちあげは『海の家(や)』で **

おい、これ 誰の靴下? 

ちょっと、そこで 寝るな!

 

ところで いくみさん、どーして真顔?

なにか 顎の所に付いてるよ 

「うーム、マンダム…」あっ、笑った ^^

 

あ”ーーーっ、 だれだ ふすま破ったの!

また 出禁になんぞーーーっ

 

コンパするなら 海の家で・・・

打上げするなら 海の家で・・・

だれかが階段から転げ落ちていく…

*** Do  like  Do! ***

音楽は自分たちが楽しまなくちゃね。

Twinkleの音楽は 

やっていて楽しかった。

見ていて楽しかった。

 

Vocal:Miyuki-Watanabe

Chorus & Keyboards:Masumi-Arai / Youko-Watayou

Bass:Mayumi-Sugawara

Drums:Kanako-Fujiwara

Guitar:Kunihiko-Matsunaga

( 1983年 秋 / 早稲田祭3日目 )

***  絆 ***

音楽が好きで、音楽をやるために集いし仲間たち… 『With Feeli'n』というグループはその典型だ。

大学も学年も違う。中には高校生も!!

そんな仲間たちと 音楽でつながっていく。

だから 音楽って 素晴らしい。

 

Vocal & Bass:Tomoyuki-Matsumura(早大 3年)

E.Guitar:Masao-Kaneda(早大 2年)

A.Guitar:Kunihiko-Matsunaga(早大 1年)

Chorus & Piano:Tomoko-Shirai(日本女子大2年)

Keyboards:Yuuko-Shirai(日本女子大付高3年)

Drums:Maki-Imaizumi(杉野女子短大 2年)

( 1981年 3月 目黒福祉センター )

 

*** フィーバータイムなう ***

大学祭参加中、サークル所属のグループが全部コンサート出演した後に、サークル員だけで音楽を楽しむ時間… それが「フィーバータイム」だ。「生演奏付きのカラオケ」をイメージして頂ければ、当たらずと言えども遠からずである。

かんたんな『ルール』があって、

①ふだんやったことのない楽器にすすんで挑戦する

②知らない歌にはその場で「歌詞」を自分で責任を持ってつける…等が主なルールである。

ここから、ひらき氏による『街のサンドイッチマン』など、大野会オリジナルの名曲がいくつも生まれた。。。

( 1980年 秋 早稲田祭 )

***  歌舞伎町狂想曲 ***

せっかく小沢氏がいいカンジでギターソロを始めたのに、「チョチョンがチョン」の手拍子にマンマと乗せられてしまう所がヒマナ氏がヒマナ氏たるゆえんである。はじまっちまったら、もう誰にも止められない。。。だれか途中で『Pー』入れて!

あ、後ろで騒いでいる人たち… デビュー前の杉山清貴とオメガトライブの面々です。

 

演奏:Yellow  Pages

Vocal & Guitar:Keiichi-Ebina

L.Guitar & Chorus:K-Ozawa

A.Guitar & Chorus:Kunihiko-Matsunaga

( 1982年 6/12 江東区民センター )

*** お蔵入り ***

鹿毛氏の作詞・作曲によるこの曲「みれん言葉」はこのコンサートで1回発表したのち、二度と聞く機会はなかった。いわゆる「お蔵入り」になった曲である。自分自身で曲を作っている人には、だれしもある経験だと思う。発表機会に恵まれなかった曲、また自らがそうする曲・・・ この曲の場合は後者のようだ。常に3人だけでステージングする三四郎としては珍しく、ピアノとコーラスに助っ人を入れての「覚悟」あるファイナルステージとなった。

■演奏:三四郎

Words & Music:Kouji-Kage

Vocal & Bass:Kouji-Kage

A.Guitar:Akinobu-Kawamura

E.Guitar:Kunihiko-Matsunaga

Piano:Tomoko-Shirai

Chorus:Kazuhiro-Nakagome / Akinobu-Kawamura

 

( 1982年 3月 目黒福祉センター )

*** 体力もつけなきゃね ***

コンサートするには 体力も必要だからね。

さぁ、がんばって!

はい、女の子もね!

あれっ、そこにいるのはイタさん?

えっ、? ゆかりさんの代役?

( 1982年 夏合宿 )

*** モノ言わぬ男 ***

『Selfish』は「わがまま」という意味である。「名は体を表す…」ということで、メンバーには非常に個性の強い人たちが集まった。そんな中でいつも静かに裏方に徹し、グループを第一に立てる役に回っていた男、それが岩城隆氏(当時 早大法学部1年)だった。グループ内では当時一番年下ということもあったかもしれない。でも、その「生き方」が「岩城隆」という男そのものだった。後に岩城氏は大野会会長となった。彼には、「物言わなくても周りがついてくる」資質が当時からあったように思える。

 そんな彼がSelfishの中で、後にも先にも一度だけ声を発したことがある。それがこの早稲田祭最終日のメンバー紹介だった。無口な男の放った たった一言。それは…

Vocal & MC:Kazuhiro-Nakagome

Guitar:Kunihiko-Matsunaga

Bass:Takashi-Iwaki

Keyboards & Chorus:Yukari-Inagaki / Akiko-Nakada

Drums & Harmonica :Tsutomu-Sasaki

( 1982年 秋 早稲田祭最終日 )

*** 増殖 ***

いやあ、増えましたね。 ^^

自分が入ったころの3倍近く・・・

 

うれしいね

人が増えれば その分笑顔も増える

新しい音楽にも出会える

 

さあて しまっていこう

 

永富氏が会長に就任した春、

はじめて新歓旅行を実施。

 

*** やきそば いかが ***

 早稲田祭は大野会にとって一大イベントである。早稲田祭自体は10月末から11月の頭にかけて行われるのだが、準備は7月のいわゆる『場所取り』から始まる。簡単に言えば、それは「的屋の区画割り」のようなもので、学祭事務局が大学構内すべてに参加団体の配置を行う作業だ。この手続きを忘れてしまうと、コンサートをしたり、屋台を出店したりといったことが出来なくなってしまうのだ。

 加えて8月になると、使用電力量の申請、当日のレンタル機材手配などをしなければならない。10月・11月は都内のいたるところで学園祭が行われるため、早めに手配しないと借りられなくなってしまうのだ。大野会は特にアンプ、エレピ、PA機材、スポット照明など大型機材が多いので、この辺りの準備を慎重にしないと、学祭が近づいてから大変なことになる。一度、学祭当日に大野会が入っていた校舎のブレーカーが落ちて、たいへんなことになったことがあった。(原因は大野会ではなく、他の団体の電力申告漏れ)

まあ、いろいろたいへんなことはあるが、やはり学祭は楽しい。参加することに意義があるとつくづく思った。3年時からは、会員が増えたこともあって、ライブ喫茶とは別に屋台も出した。この年は 早稲田100年祭ということで、通常3日の文化祭が4日間だった。

( 1983年 秋 早稲田祭 )

*** よい子の皆さん ***

わびすけの面々は 見た目が皆 年より若く見える。まぁ、そこがいいところなのか、わるい所なのかは何とも言えないが、私はそれがいいところだと思って活動していた。そう、みんな『初心者若葉マーク』である。^^

 

演奏: わびすけ

シンプルなサウンドの中にも、印象的なフレーズ作りを目指した男性カルテットグループである。

1983-1984年の1年間、オリジナル曲による活動をする。

*** Seaside Love   ***

Words & Music: Kunihiko-Matsunaga

Vocal & Chorus: Kazuhiro-Nakagome

Bass: Keiichi-Itakura

Guitar: Kunihiko-Matsunaga / Yuuichi-Nagatomi

Piano: Osamu-Isii

イタさーん、今日も「カウント」お願いしまーす ^^

*** 音楽を愛する者たち ***

『純』な男たちが集まって音楽を作ると、時々心の奥底に存在する「本音」がSoundに乗り移ることがある。99.9%カッコつけている感が先行するけど、残り0.1%にその男の「本当の優しさ」が出るのだ。この曲は、音楽を愛する男たちがそれぞれのパートで、その「優しさ」を出し合った「名作」と言えよう。

 

=== Jelousy  Station  ===

Words & Music:Kouji-Kage

Vocal:Kouji-Kage

Chorus:Kazuhiro-Nakagome

Guitar:Yuuichi-Nagatomi

Keyboards:Kunji-OOsawa

Bass:Yousuke-Tajika

Drums:Kensuke-Mizumura

*** 内コン ***

 大野会の定例行事の一つに「内コン」というのが年に何回かあった。「内コン」とは「内輪のコンサート」のことであり、一般公開はしないで、サークル会員のみが観客となる所謂サークル内発表会のようなものである。出場グループはここで新曲を披露したりして、ウケがいいかどうかをグループ内で見極めたりする。そして、ウケた曲は後々、学園祭の時や卒業コンサートのようなデカいステージで、あらためてバージョンアップさせたものを発表するのだ。

 ここが大野会の特徴の一つだと思う。これを機にサークル内でメンバーチェンジを行ったり、グループの掛け持ち交渉を行ったりしていた。

 大野会がアットホームな感じに包まれているのは、音楽サークルにしてはサークル内の横のつながりが密だからであろう。

 

*** Melting  Point ***

「昭和」の弾き語りフォークの生き残り。。。といったところか… 北海道出身の高瀬氏は朴訥とした感じで、語り調のいい詞を書く。同じ学部(法学部)の後輩ということで、一度だけ相棒をつとめた。

 

演奏:Melting  Point

Words &  Music:Masato-Takase

Vocal & Guitar:Masato-Takase

Chorus & Guitar:Kunihiko-Matsunaga

Piano:Eri-Kagawa

( 1983年 3月 渋谷エピキュラス )

***  約束 ***

いつの日か また どこかで

この6人そろって

『Sellfish』の名のもとに

音楽をしよう  きっとだよ

約束だ…

 

 38年前の約束は 果たせなくなった…

残念でならない… 悔しくてならない…

 

演奏:Selfish

Vocal & Guitar:Kazuhiro-Nakagome

Guitar:Kunihiko-Matsunaga  

Bass:Takashi-Iwaki

Keyboards & Chorus:Yukari-Inagaki / Akiko-Nakada

Drums:Tsutomu-Sasaki

( 1982年 秋 早稲田祭 第3日目 )

 

※ 「第1章 とはずがたり/わびすけ」の中にも「大野会Stories」というカテゴリーがあります。

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